アトラス心クリニック
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不眠症

生活スタイルの変化によって、不眠症は現代人のかかえる大きな問題となっています。疫学調査によれば、日本成人の21.4が不眠の訴えをもち、14.9%が日中の眠気に悩み、およそ4%が睡眠薬を服用していることが明らかになっています(2008年)。
不眠症の診断では、睡眠に関する日常的な背景について問診し、患者様の病態を把握した後、各種鑑別診断をすすめていくことが大切です。

睡眠時無呼吸症候群・むずむず脚症候群・睡眠相後退症候群・うつ病・睡眠相前進症候群といった疾患でも不眠症が出現します。また、睡眠が不足してくるとインスリンの感受性が低下し、血糖が上昇し糖尿病の発症率の危険性が高まるという報告もされています。同様に循環器疾患、高血圧、冠動脈疾患でも睡眠不足が発症因子や増悪因子になることも明らかになっています。生活習慣病を指摘されているかたは、睡眠の質も大事な因子となりますのでご相談下さい。
不眠症のタイプには、早朝覚醒型不眠症・中途覚醒型不眠症・入眠障害型不眠症・精神生理学的不眠などに分類することができますが、いずれにせよ不眠を経験すると、眠りに対するこだわりが強くなり、睡眠に対する不安や恐怖が形成されてしまいその結果慢性の不眠症になる場合があります。

不眠に対する対策としては、生活習慣の見直し・薬物療法・が一般的となっています。

生活習慣の改善としては以下の点に目をむけていただき参考していただけるとよいかと思います。
1・ 睡眠時間の長さにあまりこだわらない。6-7時間程度で十分であること。
2・ 昼間できるだけ太陽を浴びるようにし、運動習慣のあるかたは不眠になる率が低いことがわかっているので午前中より、夕方の軽い運動を心がける。
3・ 布団に入る3-4時間前にはアルコール・カフェインの入ったお茶、コーヒー・タバコ(ニコチンは覚醒作用があるため)の摂取は控える。
4・ 布団に入る1時間くらい前に少し温めのお風呂に15-20分入浴し、身体を温める。
5・ できるだけ一定の時間に起きるようにし、平日と休日の睡眠時間の差を2時間以内に抑える。
6・ 午後2時前に30分以内の短時間の昼寝をとる。
7・ 慢性疾患の治療で服用している薬物(降圧薬、抗パーキンソン病薬、抗潰瘍薬等)の中にも副作用として不眠をきたすものもあるので主治医と見直してもらう。

薬物療法については医師への相談が必要となります。いわゆる週に3回以上眠れない日が続く患者様には睡眠薬は原則として毎日の服用をお薦めしています。ところが睡眠薬をされたということで患者様が一番不安に思われることは、依存性、耐性(効かなくなってどんどん強い薬になってしまうのではないか)、認知症になるのではないか、という3点ではないでしょうか。現在使われている、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は医師の指示通りに服用して頂ければ耐性や依存性は殆ど出現しません。また認知症と誤解されやすい健忘は多くの場合アルコールとの併用や、勝手に沢山飲んでしまったといったためにみられる症状です。服用方法においても、睡眠薬は原則として床につく直前に服用して頂くのもで、服用後に入浴したり歯を磨いたりすることはお薦めできません。健忘の原因にもなります。1-2日飲んでも効かないからやめてしまったり、数か月服用していたが、自己中断してしまうこともかえって不眠の原因となることもありますので、必ず専門医にご相談ください。

このように不眠を問題として取り上げていくときに、睡眠時間にこだわるのではなく、昼間の生活の質の向上を目的としていくこと、昼間の意欲や体調、心理的な問題の減少等が最終目的であると考えています。睡眠の科学の歴史はまだ80年にもみたずまだまだ未知の世界でもあります。今後も新しい観点から治療方針が誕生してくる分野ではないでしょうか。

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